松皮造りは湯引きにした皮目と身を同時に味わえるおすすめの刺身料理です。
コリコリとした皮の触感とともに味わえる真鯛や、スズキ(シーバス)、チヌ(クロダイ)、アコウなどが釣れた時にはぜひ試してほしい美味しい食べ方です。
ひと手間と言っても難しい皮を引く作業がいらず火も使わずに簡単に出来るお刺身のアレンジ料理松皮づくりの調理方法を解説します。
コリコリとした皮の食感を同時に味わう
炙ったりする手間もいらず、特別な道具も必要ないので手軽に料理することができるお刺身の一種の「松皮造り」=別名皮霜造り
火をとおして縮まった皮目がガサガサした松の木の皮目に似ていることからこの名がついています。真鯛ではなじみが深く料亭の料理を彷彿させる高級感があります。
用意するのはお鍋1/3くらいの沸騰したお湯と氷水だけ。
その皮のしこしこした食感と身を同時に味わえる一品です。
チヌは磯臭いと言う方もいらっしゃいますので、気になる方は下処理の際、ウロコを取ったら塩で皮目をこすってヌメリをとりながら洗うといいです。
さかなの皮と身の間には、美味しいうま味成分が多いといわれておりお刺身でも捨てずに食べてこそ思う存分チヌ(クロダイ)を味わえるというものです。
松皮造りの湯引きと炙りの違い
松皮造りと呼ばれる料理には2通りの考えがあり今回紹介するような湯引きスタイルと
皮目を火で炙ってからつくる2つの方法があります。
元日本料理人の僕からの立場的に厳密に言うと炙るのは焼き霜造りや炙り刺し。
松皮造りは湯引きが本来のつくり方です。
ただどちらも皮目を生かした調理方法なのでどちらの方法でもいいと思います。
ただ厳密に言うと湯引きの場合は食べる時わさび醤油で、
炙りの場合はもみじ卸とねぎとポン酢が焼いたときの香ばしい香りを引き立ててくれるのでよく合います。
湯引きの仕方
サク取りした身の皮目に1、2ヵ所タテに切り込みを入れておきます。必要以上に縮むのを防ぐと同時に口に入れた時に噛み切りやすくします。
流し台のシンクの中に直接まな板を斜めに立てて、サク取りしたチヌの身を頭側(身の大きな法)を上にして⇒尾の方を下にして置きます。
グラグラと沸騰した熱いお湯をお玉でとり、上(頭側)の方から下(尾)の方へゆくっりお湯をかけていきます。
お湯をかけて、皮目が縮まってクルンとなってきたら
たっぷり氷のはいった氷水につけ
軽くジャブジャブして氷水の中で余熱を完全に取ります。
ボールから取り出したら、キッチンペーパーなどでくるみ水気をしっかり拭き取ります。
平造りに切る
あとは、いつもの刺身と同じように平造りします。
5~7ミリ程度の幅で切ると歯応えも味わえる大きさです。
お皿に盛りつけたらできあがり!湯引きにした場合はわさび醤油ですすめてください。
松皮造りが合う魚
ざっくりいうと
●スズキ
●チヌ(クロダイ)
●アコウ(キジハタ)
●メバル
ここでは真鯛とチヌに限定して紹介しておりますが、このほかにも皮目が美味しいスズキやアコウ、新鮮なメバルなどがよく合います。
特に脂の乗ったスズキやメバルは本当に美味しいです!
要するに皮目がゴツくて皮とみの間に脂がある魚が合っています。
逆に向いていないのがタチオウやアジなどです。皮目が薄いので火を通すとすぐに剥がれてしまうからです。
タチウオなどは皮目を残す場合は銀皮造りや鏡造りとよばれる皮目を残してそのまま薄く切る方法が用いられます。
小学生の頃に釣好きな親戚のおじさんから釣りを教わりのめり込み、一旦大学へ進学の時に辞めてしまったのですが40歳を過ぎて再び釣りに目覚めルアー釣りに没頭。アラフィフ世代のおっさんですがのんびり大好きな釣りを楽しむ中で自分なりに感じたこと誰かに話したくなる釣り道具のインプレや新たに手に入れた知識などシェアします。10年以上の調理師経験も生かして釣果メシも公開します。