夏から秋冬まで汽水域でシーバスのメインベイトとなるイナッコパターンについて解説します。
群れが流れてきやすいポイント選びから時間帯や潮周り
ルアーセレクトから巻き速度とアクションの付け方まで細部に渡ってお伝えしていきます。
イナッコとは
イナッコとは、ボラの幼魚のことで、サイズは約10cmから20cmまで成長したものを指します。釣りにおいて、シーバス(スズキ)を狙う際に「イナッコパターン」と呼ばれるのは、シーバスがこのサイズのボラの幼魚を捕食するタイミングに着目したものです。よく混同されがちな「ハク」というのは、さらに小さい稚魚のことを指し、サイズは約2cmから5cm程度と非常に小さく、イナッコとは異なる存在です。
イナッコは海水域から汽水域まで、幅広い環境に適応しているため、日本全国の様々な場所で見られます。
このため、イナッコパターンは特定の地域に限定されることなく、広範囲で通用する釣りのパターンと言っても過言ではありません。
イナッコが群れる時期や場所を見極めれば、シーバス釣りの成功率が格段に上がるため、釣り人にとって時期になると必須な知識です。
イナッコパターンの時期
シーバス釣りにおけるイナッコパターンの時期は、春から夏へと移り変わる自然の流れとともにやってきます。早春から梅雨の時期までは、2~5cmほどのハク(ボラの稚魚)がベイトとなる「マイクロベイトパターン」が主流です。しかし、夏が近づくとボラの稚魚が成長し、10cmから20cmに達するイナッコの時期が始まります。
このイナッコパターンは、通常7月の初夏から11月の晩秋までの間、シーバス釣りで効果的です。時期が進むにつれ、イナッコはさらに大きく成長し、それに伴ってシーバスの捕食行動も活発になります。地域によって多少の違いはありますが、日本全国でイナッコパターンはほぼ同じ時期に成立します。
特に有名な場所として、茨城県中部の涸沼が挙げられます。ここでは秋になると、ベイトのイナッコもシーバスのサイズも共に大きくなり、釣りのシーズンが盛り上がることで知られています。
カビボラパターン
シーバス釣りにおける「カビボラパターン」とは、急激な水温低下によって白点病に感染したボラをシーバスが狙う状況を指します。
白点病にかかったボラは体の表面に白い斑点ができ、体力が低下して泳ぎが不自由になります。
このように弱ったボラは捕食しやすく、シーバスがそれを積極的に狙うため、このパターンが成立します。水温が下がる晩秋から冬にかけて、カビボラパターンはシーバス釣りで優位になる場所も多く存在しています。
イナッコパターンのシーバス攻略方法
ポイントの見つけ方
カギはイナッコの群れ!?
シーバス釣りにおけるイナッコパターンは、その名の通り、イナッコ(ボラの幼魚)がベイトとして豊富にいる状況で成立します。ただし、シーバスが効率的にイナッコを捕食できる場所を見極めることが釣果を左右します。まずは、イナッコが群れで居着きやすい場所や、流れてきやすいポイントを見つけるのが重要です。
イナッコは動物プランクトンなどを餌にしているため、それが豊富な場所を探すのがコツです。たとえば、山間部からの流れ込みや河川の合流地点、大型河川のカーブの内側、沖のブレイクラインなどが狙い目です。特に、潮が引いている時にこれらの場所に目星をつけておくと、効果的なポイントを見つけやすくなります。
さらに、イナッコが群れを作って泳いでいる時は水面がバチャバチャと動いているのが特徴です。この現象を見つけたら、シーバスが近くにいる可能性が非常に高いです。実際、イナッコの群れが確認できれば、90%近くの確率でシーバスもその周囲にいると考えて良いでしょう。このパターンを掴むことで、シーバス釣りの成功率が飛躍的に向上します。
時間帯
ナイトゲームが有利
イナッコパターンでのシーバス釣りは、日中でもチャンスはありますが、特に夜間に成功する確率が高いです。夜になるとイナッコの群れが活動的になり、シーバスもそれを狙って接近してきます。過去にイナッコの群れに遭遇した場所があれば、同じ場所に通い続けるのも効果的です。
特に、常夜灯が灯り水面を照らしてくれる場所は、アングラーからもイナッコの群れを確認しやすく、シーバスからも見つけやすいため暗がりから狙っている可能性が高く狙い目のポイントです。
さらに、水門と橋脚が一体となっている場所や、橋脚のすぐそばに流れ込みがあるポイントは、シーバスがイナッコを待ち伏せする絶好のスポットです。
これらの要素を組み合わせてポイントを選ぶことで、イナッコパターンでの釣果を上げることができます。
潮回り
シーバス釣りにおけるイナッコパターンでは、潮回りが非常に重要です。僕個人的には、特に釣果を上げやすいのは「下げ潮」です。下げ潮の勢いでイナッコの群れが流れに乗って移動し、潮が下げの5分以下になったタイミングでシーバスが現れることが多く見られます。このタイミングで釣れるのは、水深が浅いシャローエリアでイナッコを見つけやすく、またシーバスが群れを追い込みやすいためです。
シャローエリアでは、シーバスがイナッコを捕食しやすい環境が整っているため、下げ潮は非常に効果的です。しかし、理論的には、潮が動いている時なら上げ潮でもチャンスはあります。特にド干潮からの上げ潮時に、シャローで釣果が期待できるのも確かです。
潮の動きに合わせて狙う場所を選び、シャローエリアでの釣りを意識することで、イナッコパターンでのシーバス釣りがさらに効果的になるでしょう。
レンジ
シーバス釣りのイナッコパターンでは、イナッコが泳ぐレンジを意識することが重要です。イナッコは主に水面直下から20cmほどまでの表層から中層を泳いでいます。シーバスはこれらのイナッコを下から追い上げ、水面や岸際に追い詰めて捕食することがよくあります。
ルアーを通す際も、このレンジを狙うのが効果的です。群れの下にルアーを通すことはありますが、基本的には中層までの範囲で十分です。このレンジを意識して釣ることで、イナッコパターンでのシーバス釣りがさらに成功しやすくなります。
群れの下にルアーを通してくることもありますがそこまでレンジを下げることもないので中層までと覚えてお行くと良いと思います。
ルアーセレクト
シーバス釣りのイナッコパターンにおいて、ルアーセレクトはベイトのサイズに合わせることが重要です。僕の場合、初夏まではイナッコが小さいため、10cm以下のルアーを使用し、夏以降はイナッコが成長するので12cm以上のものを選びます。
イナッコは主に表層から中層にいるため、フローティングミノーやシンキングペンシル(シンペン)をメインに使いますが、少し深めのレンジを攻めたい時には、8cm~10cmクラスの大きめのバイブレーションも用意しておくと良いです。
ルアー選びには個性が反映される部分もあり、一概には言えませんが、ジグヘッドとワームを使う人もいます。それぞれの釣りスタイルに合ったルアーをセレクトすることが大切です。
表層から中層までを幅広く探れるルアーを揃えておくことが大切。これによってイナッコパターンでのシーバス釣りのチャンスを最大限に引き出せます。
マルジン ガマダス 135F
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アイマ ハニートラップ 95S
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ボイルが起こっている時は…
また水面がバチャバチャしていて、跳ねまくっているときは群れの下で喰われていることが多くそういった捕食中はマッチザベイトよりもアクションが派手目なルアーにして気づかせることが先決です
そういった場合はフローティングミノーでもウォブンロール系の波動の強いものにしたり、バイブレーションやスピンテールジグにしたほうが食わせやすくなります。
ダイワ リアルスピン ST21
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トレースコース
シーバス釣りのイナッコパターンでは、ルアーのトレースコースが釣果を大きく左右します。基本的には、イナッコと同じレンジにルアーを通すか、イナッコの群れの下を狙うイメージが重要です。シーバスはイナッコの群れを下から追い詰めて捕食するため、その動きを意識してルアーを操作します。
もしボイル(シーバスが水面でベイトを追っている様子)が発生している場合、群れの外側にキャストし、イナッコを外から内側に向かって散らすように引いてくるのが効果的です。これにより、シーバスに捕食のチャンスを与えられます。
また、イナッコが飛び跳ねて逃げているような状況では、シーバスが水面下で狙っている可能性が非常に高いです。ボイルが確認できなくても、群れの奥にキャストし、群れの下を通すようにルアーを引いてくると、高い確率でシーバスがヒットします。正確なトレースコースを選ぶことで、イナッコパターンでの釣果が向上するでしょう。
巻き速度とアクション
夏から秋にかけてのイナッコの群れを明るい時間帯に見てみてください。泳ぐスピード=群れが移動していく速さは驚くほどめっちゃゆっくりですww
ですからイナッコパターンのときの巻きはスローなただ巻き。もしくは流れが出ているときにシンペンなどをドリフトさせて群れに寄せて来るなどスローがおすすめです。
ボイルが起こっていて明らかに目の前でシーバスが喰っている場面では僕の場合足元から近ければすかさずアピール系のミノーを投入!!
奥へキャストしゴリ巻きで近づけていき群れの周りで軽くトゥイッチしたり軽くジャーク入れたりするとゴンッと!喰ってくることもあります。
距離が離れている場合はシーバスが喰っている状況ならシンペンよりもバイブレーション系を用いることのほうが多いです。
イナッコパターンのタックル
イナッコパターンのタックルについては夏場からの通常使っているタックルでなんら問題ありませんが
少しだけ触れていきます。
ロッド
先述したようにロッドもイナッコパターンだからといって通常シーバスで使っている
9フィート前後のML~Mクラスのロッドで構いません。
ただイナッコ自体が大きくなりランカーシーバスも狙えるようになってくる秋に差し掛かってくると
ファイトも力強くなってくるのでM以上かMHクラスの9.6フィートクラスの長いロッドの方が強い引きを受け取とめてくれるため安心できます。
ダイワ モアザンブランジーノ EX AGS 94MMH
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リール
イナッコパターンではリールも通常の30000番~4000番クラスで十分対応できます。
ただしロッドと同じくランカーまで射程範囲に収めるならば4000番以上、シマノならC5000番クラスのハイギアまたはエクストラハイギアのほうがランカーと対峙したときに主導権が握りやすくなります。
ダイワ 24セルテート LT4000-CXH
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イナッコパターンまとめ
サクッとまとめると…
●夜の時間帯のシャロー
●表層から探っていき中層までを意識する
●ミノーやシンペンを中心にスローリトリーブ
●ボイルが起こっているときはアピール系ルアーで
このあたりがカギになってくるのなかと思います。とにかくイナッコの入ってくるであろう場所を予測を立て
何度も通い時間や水深などを見極めて再現性を保つことが釣れるまでの大事になってきます。
基本的な攻め方を熟知したらそれを頭にいれまずフィールドに行って自らひとつひとうつ答え合わせをしてみてください。
イナッコパターンはどこの地域でも成立しやすいパターンなためそれさえ出来ればハマりやすい釣り方です。
ぜひチャレンジしてみてください!!
小学生の頃に釣好きな親戚のおじさんから釣りを教わりのめり込み、一旦大学へ進学の時に辞めてしまったのですが40歳を過ぎて再び釣りに目覚めルアー釣りに没頭。アラフィフ世代のおっさんですがのんびり大好きな釣りを楽しむ中で自分なりに感じたこと誰かに話したくなる釣り道具のインプレや新たに手に入れた知識などシェアします。10年以上の調理師経験も生かして釣果メシも公開します。