秋にシーバスが食べるベイトは?マッチザベイトのために知っておきたいこと

秋のシーバスが主食にしているベイトは何なのか?

ひとつひとつ習性をや時期、パターン攻略が当てはまる場所にも触れながら

ルアーを選ぶときのマッチザベイトについての考え方について考察します。

秋にシーバスが食べてるベイト

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サヨリ

シーバス釣りにおける「サヨリパターン」とは、シーバスがサヨリを主要な餌とする時期や状況を狙った釣り方のことを指します。サヨリは細長い体を持ち、浅瀬や河口付近で群れを成して泳ぐことが多い魚です。シーバスはこのサヨリを好んで捕食するため、特にサヨリが活発に行動する季節には「サヨリパターン」が有効となります。
時期と場所

サヨリがシーバスの主な餌となる時期は、主に秋から冬にかけてです。この時期には、サヨリの産卵活動が盛んであり、海岸や河口付近で多くのサヨリの群れを見ることができます。特に、夜間や明け方、夕方にかけての時間帯にサヨリの群れが表層近くを泳ぐため、シーバスもその動きを追いかけて活発に捕食行動を取ります。

また、サヨリは浅場や河口、湾内の穏やかな場所に集まることが多いため、これらのポイントでシーバスを狙うことが効果的です。

サヨリの生態と習性
サヨリの語源は学名Hyporhamphus sajoriから由来します。

細長い体と下顎が長く突き出た特徴的な形を持つ魚です。沿岸の浅い海域に生息し、特に春から秋にかけて日本や韓国、中国の沿岸で見られます。体長は通常30cmほどで、群れを作って行動します。プランクトンや小型の甲殻類を主な餌として食べ、比較的水面近くを泳ぐことが多いです。

サヨリ釣りは、主に「サビキ釣り」や「ウキ釣り」で行われます。餌はアミエビやゴカイ、小型のエビを使います。軽い仕掛けで水面近くを狙い、群れを見つけると釣果が上がりやすいです。細い糸と小さな針を使います。

サヨリのルアーの選び方
サヨリパターンにおいて最も重要なのは、サヨリに似た細長いシルエットを持つルアーを選ぶことです。サヨリは細身で独特の動きをするため、ルアー選びはシーバスの捕食行動に影響を与えます。

【シャローランナー】
表層~水面直下20cm以内を引く際に、サヨリに似たアクションを演出できるため、サヨリパターンで非常に効果的です。ゆっくりとしたリトリーブや、時には軽くジャークして不規則な動きをつけることで、シーバスに「逃げるサヨリ」を意識させることができます。
【シンペン】
表層から少し下のレンジで泳ぐサヨリを模した釣り方には、シンキングペンシルが有効です。特に、流れの速い場所ではこのタイプのルアーを使い、流れに乗せて自然に漂わせるとシーバスのバイトを誘発しやすくなります。
【ミノー】
細長いシルエットとナチュラルなアクションを持つミノーも、サヨリパターンに適しています。カラーは、サヨリの銀色や透明感を意識したナチュラルカラーがおすすめです。

シーバスのサヨリパターンについて他のページで詳しく解説しています⇒難しいといわれるサヨリパターンにピタッとハマる!攻略法を徹底解説

 

イナッコ

シーバス釣りにおける「イナッコパターン」とは、シーバスがイナッコ(ボラの稚魚)を捕食する時期や状況を狙った釣り方のことを指します。イナッコは河口や内湾、干潟などの比較的穏やかな場所でよく見られる小魚で、シーバスにとっては重要な餌の一つです。特にイナッコが大量に発生する夏から秋にかけての時期に、シーバスはこの魚を狙って活発に捕食行動をとります。

イナッコの生態とシーバスの捕食行動
イナッコは、淡水と海水が混ざる河口付近や浅瀬、干潟などに多く集まります。昼間は群れを成して泳ぎ、夜間は浅場に上がる習性があります。この時期、シーバスは主に夜にイナッコを捕食しますが、昼間も活発に追いかけることがあります。

イナッコが多く生息する場所ではシーバスの活性が高くなるため、イナッコの動きや群れの場所を把握することが釣果につながります。

時期と場所
イナッコパターンが最も有効となるのは、初夏から秋にかけてです。この時期には、河口や港湾部の浅瀬にイナッコの群れが集まり、それに合わせてシーバスも寄ってきます。特に夜間、満潮時や潮の動きが活発なタイミングでシーバスの捕食が盛んになります。イナッコの群れが水面近くで跳ねたり、ざわついたりする場所を見つけることが、シーバスを狙うための重要なポイントです。

ルアーの選び方
イナッコパターンにおいては、イナッコのサイズや動きに似せたルアー選びが釣果を左右します。以下のルアーが特に効果的です。

【トップやウエイクベイト】
イナッコが水面をざわつかせて泳ぐ姿を演出できるため、トップウォーター系のルアーは非常に有効です。ペンシルベイトやポッパーを使って、イナッコの群れを演出し、シーバスのバイトを誘発します。ゆっくりとしたリトリーブや、不規則なアクションを加えることで、弱ったイナッコを演じることができます。

【シンペン】
表層や中層でイナッコの群れが泳ぐ状況に合わせやすいルアーです。ナチュラルなカラーとスリムなシルエットを選び、リトリーブスピードを調整してシーバスにとってリアルな餌を演出しましょう。

【ミノー】
イナッコパターンに最適な細身のミノーは、泳ぎが自然でシーバスに警戒されにくいです。特に、サイズが7cm~10cm前後のミノーを選ぶと、イナッコのサイズに近づけることができます。リトリーブスピードやアクションを変えながら、群れに混ざるような動きを再現しましょう。

シーバスのイナッコパターンについて他のページで詳しく解説しています⇒イナッコパターンでシーバスを釣りあげよう!要は○○を見つける!ポイント選びからルアーセクト&釣り方解説

 

落ち鮎

「落ち鮎パターン」は、秋から初冬にかけて、産卵を終えたアユが川から海へ下る時期にシーバスがそのアユを狙って捕食する釣り方です。この時期のアユは「落ち鮎」と呼ばれ、体力が落ちて流れに身を任せて海へ下ることが多くなります。

シーバスはこのタイミングで落ち鮎を積極的に捕食し、大型個体が狙えるチャンスでもあるため、シーバス釣りにおいて非常に重要なパターンとなります。

落ち鮎の動きとシーバスの捕食行動
落ち鮎は主に河川の下流から河口にかけて、流れに乗って下っていきます。この時期のアユは弱っているため、流されながらゆっくりと泳ぐ姿が特徴的です。シーバスはこの弱ったアユを待ち構え、捕食するため、落ち鮎が集まる河口や下流域ではシーバスの捕食行動が活発化します。

また、落ち鮎は日中も夜間も下るため、シーバス釣りのチャンスは昼夜を問わず広がります。ただし、夜間の方がシーバスの捕食が活発になる場合が多いため、夜釣りも有効です。

時期と場所
落ち鮎パターンが有効なのは、アユの産卵が終わり、川から海へ下る秋から初冬にかけてです。主に10月から12月がシーズンのピークとされ、特に河口付近や下流の流れが速い場所がシーバスの狙い目となります。アユは流れの緩い場所に溜まりやすいため、流れが速いポイントと緩いポイントが交わる場所も好ポイントです。

落ち鮎ルアーの選び方
落ち鮎パターンでは、アユに似たサイズやシルエットを持つルアーを選ぶことが大切です。特に、アユの動きに似せたアクションを出せるルアーが効果的です。

【ビッグミノー】
落ち鮎に似た細長いシルエットのビッグミノーは、落ち鮎パターンで最もポピュラーなルアーです。サイズは12cm~15cmのものが一般的で、アユの群れに見えるようなナチュラルカラーが推奨されます。スローリトリーブで、弱って流される落ち鮎を演出するのが効果的です。

【シンペン】
少し沈めた位置で落ち鮎を演じる際にシンキングペンシルが有効です。特に流れの速い場所では、自然に流されるアユを再現するために、流れに乗せたドリフト釣法が効果的です。

シーバスの落ち鮎パターンについて他のページで詳しく解説しています⇒落ち鮎パターンによるシーバス攻略!大事なポイントの見つけ方釣り方のコツ

 

コノシロ

「コノシロパターン」とは、シーバスがコノシロ(小?)を主要な餌とする時期や状況を狙った釣り方です。コノシロは主に秋から冬にかけて海岸や河口、湾内に大群を作って集まります。この時期、シーバスは積極的にコノシロを追いかけ、大型の個体が捕食行動を行うため、大型シーバスを狙う絶好のチャンスとなります。

コノシロは10cm~30cmの比較的大型の魚で、シーバスにとっても栄養価の高い獲物です。このため、シーバスも大型のものがコノシロを狙うことが多く、釣果としては大物が期待できるパターンです。

コノシロの動きとシーバスの捕食行動
コノシロは主に沿岸や河口、湾内の浅場に大群で集まる習性があります。秋から冬にかけて、コノシロが産卵や成長のために集まると、シーバスはこれを追って湾内に入り込んでくることが多いです。

コノシロの群れは水面近くを泳ぐことが多く、水面に「ナブラ」と呼ばれる波紋が見られることがあります。これがシーバスの捕食行動のサインであり、コノシロパターンでシーバスを狙う重要なポイントとなります。シーバスは特に群れから外れたコノシロや、弱って動きが鈍くなった個体を狙う傾向があります。

時期と場所
コノシロパターンが有効となる時期は、秋から冬にかけて、主に10月から12月にかけてです。この時期には、コノシロの大群が沿岸や河口付近に集まるため、シーバスもそれに伴って活動が活発になります。特に河口周辺や湾内の浅瀬、潮通しの良いポイントがシーバスの狙い目となります。

コノシロルアーの選び方
コノシロパターンでは、コノシロに似たサイズやシルエットのルアーが必要です。コノシロは比較的大型の魚であるため、ルアーもやや大きめのものを選ぶことが重要です。また、コノシロが集団で泳ぐ様子を模倣するアクションや、弱ったコノシロを演出するアクションが有効です。

【ビッグベイト】
コノシロパターンの代表的なルアーです。20cm以上の大きめのビッグベイトを使うことで、コノシロのサイズ感を再現できます。大きめのルアーはシーバスの捕食本能を刺激し、大型シーバスを狙いやすくします。ナチュラルカラーやコノシロ模様のものが特に効果的です。

【ミノー】
14cm~18cmの大きめのミノーも、コノシロパターンでよく使われます。中層から表層を泳がせることで、コノシロの動きを再現でき、スローリトリーブでゆったりとした動きを演出します。カラーはシルバーやホワイトベースのものがコノシロに似ています。

シーバスのコノシロパターンについて他のページで詳しく解説しています⇒コノシロパターンでシーバスと青物狙うおすすめルアーとタックル紹介

秋のベイトは大きいけどルアーは…

秋のベイトはサイズが大きくそれを喰っているシーバスも大きい時期なので

マッチザベイトでいうと”ルアーのサイズも大きく!”というのが定説です。それは間違いないのです。

晩秋からのコノシロパターンなどは「ルアーは大きければ大きいほどいい」なんてことも言われてたりします。

ただ大きいルアーにばかり拘りすぎると見逃しがちなこともあります。

●レンジを下げるごとにルアーサイズは小さく
●食いが甘い(活性が低い)、警戒心が強そう

こういったときはルアーのシルエットを同じにしなくても小さめのサイズのルアーにチェンジして、

アクションも控えめなほうにスイッチしたほうが食わせやすくなったりすることもあります。

秋にベイトに対して果敢にアタックしてくるシーバスはサイズに関係なく喰ってくることのほうが多いですが、

ランカーサイズのデカいシーバスほど警戒心が強く

そうそうルアーには反応してこないと思っていたほうが無難です。

違和感を与えないように、よりその場所に居るベイトに近い動きになるように、自然なアクションとリトリーブ速度を心掛ける。

ただ巻きひとつにしてもそのときの最適解はその場の状況に応じて異なります。

流れやベイトの有無、シーバスの状況を予想してそのときの最適解を見つけてください。

秋のシーバスのベイトまとめ

秋はシーバス釣りのハイシーズンで、ベイト(餌となる魚)の動きが釣果に大きく影響します。この時期にシーバスが追う代表的なベイトとして、サヨリ、イナッコ、落ち鮎、コノシロが挙げられます。

サヨリは細長い体が特徴で、浅瀬を泳ぎ回るため、シーバスが表層で活発に追う場面が多く見られます。イナッコ(ボラの稚魚)は群れで行動し、シーバスが連続して捕食するシーンを期待できます。落ち鮎は河川から海に下る鮎で、体力を失って弱っている個体が多く、シーバスにとっては絶好のターゲットです。コノシロは脂がのった大型のベイトで、これを狙うシーバスは大型が多く、釣り人にとっては大物とのファイトが期待できます。

これらのベイトが豊富な秋は、シーバスの活性が高まる時期。変化するベイトの状況に合わせてルアーやリトリーブを工夫し、ダイナミックなシーバスとの出会いを楽しむチャンスです。この秋、ぜひシーバス釣りに挑戦してみてください!